- HOME>
- アニサキス
アニサキスとは

アニサキスは、魚介類に寄生する寄生虫の一種で、特にサバ、イカ、アジ、サンマ、サケなどに多く見られます。これらの魚介類を生や加熱不十分な状態で食べた際に、人の胃や腸の壁に侵入し、激しい腹痛を引き起こすことがあります。
主な感染経路
感染のほとんどは、アニサキスが寄生した魚を生で食べることで起こります。寿司や刺身、酢締め、カルパッチョなど、生食の機会が多い日本では、比較的身近な感染症です。
- 加熱不足の魚介類の摂取
- 冷凍処理をしていない生魚の摂取
加熱や冷凍(-20℃で24時間以上)によってアニサキスは死滅するため、調理法に注意することで感染を予防できます。
症状と発症のタイミング
アニサキスによる症状は、食後数時間以内に突然現れることが多く、主に以下のような症状があります。
- 激しいみぞおちの痛み
- 吐き気や嘔吐
- 腹部の張りや不快感
まれに、腸に侵入することで、腹膜炎に似た強い腹痛を引き起こすこともあります。症状は非常に激しく、急性腹症と誤診されることもあるため、迅速な対応が必要です。
診断方法と内視鏡の役割
アニサキス症の診断には、胃カメラ(胃内視鏡検査)が最も有効です。内視鏡で胃の中を直接観察することで、寄生しているアニサキスを確認し、その場で摘出することができます。血液検査やX線では診断が難しいため、疑いがある場合は速やかな内視鏡検査が推奨されます。
治療法
当院では、内視鏡を用いたアニサキスの摘出に迅速に対応しています。鎮静剤を使用することで、苦痛を最小限に抑えた状態で検査・治療が可能です。アニサキスを除去すれば、症状は比較的早く改善します。
また、症状が強い場合や腸アニサキスが疑われる場合には、適切な診断と必要に応じた処置を行います。抗アレルギー薬や鎮痛薬の投与によって、症状の緩和も図ります。
感染予防のポイント
アニサキス感染を防ぐには、以下の点に注意しましょう。
- 魚を食べる前に、目視で寄生虫がいないか確認する
- 刺身などの生食用の魚は信頼できる店舗で購入する
- 中心部までしっかり加熱(60℃以上、1分以上)する
- 冷凍保存(-20℃で24時間以上)された魚を使う
特に、家庭で調理する場合には冷凍処理の有無に注意が必要です。
強い腹痛があるときはすぐにご相談を

アニサキスによる痛みは非常に激しく、我慢することが難しい症状です。「急にみぞおちが痛くなった」「魚を食べた後に異常を感じた」などの場合は、すぐに医療機関を受診してください。当院では、迅速な内視鏡検査と治療を行っております。