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逆流性食道炎とは

逆流性食道炎とは、胃酸や胃の内容物が食道へ逆流し、食道の粘膜に炎症を起こす病気です。近年、食生活の欧米化やストレスの影響などにより、患者数が増加している身近な疾患です。慢性的な胸やけや、喉の違和感、咳の原因になることもあります。
原因と症状
主な原因は、胃酸が食道に逆流することです。逆流を防ぐ食道と胃の間の筋肉(下部食道括約筋)がゆるんだり、胃の動きが悪くなったりすることで起こります。脂っこい食事や過食、アルコール、喫煙、加齢、肥満などもリスク要因です。
代表的な症状
- 胸やけ
- 酸っぱいものが上がってくる感じ(呑酸)
- 喉の違和感や声のかすれ
- 慢性的な咳
- 食後の胸のつかえ感
これらの症状が続く場合は、逆流性食道炎の可能性があります。
診断方法
診察では、まず症状の聞き取りを行い、必要に応じて内視鏡検査(胃カメラ)を行います。食道の粘膜に炎症やただれがあるかどうかを確認することで、確定診断が可能です。また、胃酸の逆流の程度を調べるための検査(pHモニタリングなど)が行われることもあります。
治療法
逆流性食道炎の治療には、主に以下のような方法があります。
薬物療法
胃酸の分泌を抑える薬(PPIやP-CAB)を中心に、胃の働きを助ける薬や、食道の炎症を抑える薬を組み合わせて使用します。多くの場合、薬の服用によって症状は数日から数週間で改善します。
生活指導
薬だけでなく、生活習慣の見直しも重要です。以下の点に気をつけましょう。
- 食後すぐに横にならない
- 脂っこい食事や甘いもの、アルコールは控える
- 食事は腹八分目を意識する
- 睡眠時は頭を少し高くして寝る
- 禁煙する
再発予防のポイント
逆流性食道炎は一時的に症状が良くなっても、生活習慣によって再発しやすい病気です。継続的な薬の服用に加えて、再発しにくい生活スタイルを続けることが重要です。定期的な診察や検査も再発の早期発見に役立ちます。
不快な症状は早めのご相談を

逆流性食道炎は、適切に治療すれば多くの方が改善する病気です。一方で、治療せずに放置すると、食道の炎症が悪化し、出血や狭窄、がんのリスクが高まることもあります。「胸やけが続く」「喉がすっきりしない」など、少しでも気になる症状があれば、お早めにご相談ください。