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ピロリ菌とは

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の中に生息する細菌で、胃酸の中でも生きられる特殊な性質を持っています。子どものころに感染し、そのまま胃に住みつくことが多いとされています。ピロリ菌は胃の粘膜に炎症を引き起こし、放置すると慢性胃炎や胃潰瘍、さらには胃がんの原因になることが知られています。
感染によるリスク
ピロリ菌に感染すると、慢性的に胃の粘膜がダメージを受けるため、以下のような病気のリスクが高まります。
- 慢性胃炎
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
- 胃ポリープ
- 胃がん
- 機能性ディスペプシア(胃の不快感)
特に、胃がんの発症に関してはピロリ菌感染との関係が強く指摘されており、除菌することでリスクを大きく減らすことができます。
ピロリ菌の検査方法
ピロリ菌の有無を調べるには、以下のような検査があります。
- 内視鏡検査時の組織検査(迅速ウレアーゼ試験、組織鏡検法など)
- 尿素呼気試験(除菌後の判定にも使用)
- 抗体検査(血液や尿を使った検査)
- 便中抗原検査
どの検査が適しているかは症状や検査の目的により異なります。医師と相談しながら適切な方法を選択します。
除菌治療の流れと効果
ピロリ菌に感染していることが確認された場合、抗菌薬と胃酸を抑える薬を併用した除菌治療を行います。以下が一般的な治療の流れです。
①医師による診断と治療説明
②1週間程度の内服治療(抗生物質と胃酸分泌抑制薬)
③約4週間後に再検査(主に尿素呼気試験)
④除菌の成功を確認
除菌成功率は高く、1回目の治療で8〜9割の方が除菌に成功します。万が一失敗した場合も、薬を変えて再治療することで多くの方が除菌に成功します。
再感染や除菌後の注意点
一度除菌に成功すると、再感染のリスクは非常に低いとされています。ただし、除菌後も胃がんのリスクが完全になくなるわけではありません。除菌後も定期的な内視鏡検査を継続し、胃の状態を確認していくことが重要です。
また、除菌治療中は抗生物質を服用するため、下痢や味覚異常などの副作用が出ることもあります。症状が強い場合は、医師にご相談ください。
ピロリ菌検査を受けるタイミング
次のような方は、一度ピロリ菌検査を受けることをおすすめします。
- 胃の不調が続いている方
- 過去に胃潰瘍や十二指腸潰瘍を患ったことがある方
- 家族に胃がんの方がいる方
- 健康診断で胃の異常を指摘された方
- 胃がんのリスクを下げたい方
将来の健康を守るために早めの検査を

ピロリ菌は、検査と治療によって確実に対処できる感染症です。将来の胃の健康を守るためにも、早めの検査と必要に応じた除菌治療を受けることが大切です。ピロリ菌に関して気になる症状がある方や、検査をご希望の方は、当院までお気軽にご相談ください。